Smartbird が本格始動——Allbirds 出身、1 億ドル調達で AI インフラ企業として再始動、CEO に AWS 出身のエンジニア
Allbirds が 4,300 万ドルで靴事業を売却後、Smartbird として本格始動。CEO に AWS 出身で工学博士のナディア・カールステンを任命。1 億ドルの資金調達で、データ主権を重視する企業向け AI インフラ事業を展開予定。
かつて 40 億ドルのユニコーンだった Allbirds が、44 年にわたる靴事業の売却を完了し、AI インフラ企業 Smartbird として本格始動した。6月の最新発表では、新 CEO に AWS 出身で工学博士のナディア・カールステンを任命。1 億ドルの資金調達を実現し、データ主権を重視する企業向けの AI インフラ事業に本腰を入れるという展開を明らかにした。
靴事業売却から新生 Smartbird へ
Allbirds は環境配慮型の靴メーカーとして知られていたが、昨年靴事業売却を発表。4月には NewBird AI として事業転換を公式化していた。6月に入り、社名を Smartbird に変更し、強力な経営陣を配置することで、単なる起業家的試みから本格的な事業へと舵を切った。
靴事業の売却額は 4,300 万ドル。これに加えて新たに 1 億ドルの資金調達を実現した。
CEO は AWS 出身のエンジニア、専有インフラの構築へ
新 CEO のナディア・カールステンは AWS の元幹部で、工学博士の肩書を持つ。これまでの CEO による起業家的経営から、技術系リーダーシップへの転換は、事業の実装フェーズへの進行を示唆している。
Smartbird の狙いは単なる汎用 GPU コンピュートではない。製薬、エネルギー、金融、公共部門など、データ主権を重視する企業向けに、数百から数千のチップ規模での AI インフラ展開を計画。年内に複数顧客へのデプロイを予定している。
この戦略は、AWS や Google Cloud といった汎用クラウド企業ではなく、特定業界や政府部門からの需要を狙ったものである。
業界への示唆
Smartbird の進化は、2つの背景を示している。1つは、AI コンピュート需要の多様化である。大規模クラウドプロバイダーではなく、特定業界や政府のデータ主権ニーズに応える専有インフラの市場が成長していることだ。
もう1つは、異業種からの AI インフラ参入が序盤から本格フェーズへ移行していることである。靴メーカーという全く異なる背景を持つ企業が、AWS 出身の技術者を CEO に迎え、1 億ドルの資金調達で本腰を入れる動きは、単なる起業ブームではなく、産業再編成の流れを映している。
Smartbird の成否は、既存プレイヤー(AWS、Google Cloud、Azure)がいかに専有・規制重視市場に対応するかという重要な指標となるだろう。