AI チップスタートアップ Cerebasが 2026年5月中旬の IPO申請を予定しており、チップ市場の勢力図が大きく変わろうとしている。

Series H で 230 億ドル評価に到達

Cerebasは昨年 Series G で 11 億ドル、今年 2 月の Series H で 10 億ドルを調達し、評価額は 230 億ドル に達した。CEO Andrew Feldman は「推論事業を Nvidia から奪取した」と述べており、AI インフラストラクチャ市場での地位を急速に固めている。

AWS・OpenAI との大型契約が背景

同社の IPO は、複数の大型契約に支えられている。Amazon Web Services(AWS)とのデータセンター契約に加え、OpenAI との契約は 100 億ドル以上の価値 があるとされている。これらのパートナーシップは、単なる販売チャネルではなく、生成 AI 企業が高性能推論を外部に求める大きなニーズを示唆している。

政治的課題を乗り越える

Cerebasは 2024 年にも IPO を申請していたが、アブダビの G42 からの投資に対する米政府の審査により延期・撤回されている。今回の 2026 年申請では、その政治的障害が解消されたか注視される。

2025 年の財務:黒字へのカウントダウン

2025 年の収益は 5 億 1000 万ドル で、調整後純損失は 7570 万ドル に縮小。火焔期の AI チップ企業として黒字化への道筋も見え始めている。


この IPO は、Nvidia への過度な依存を減らしたい大規模言語モデル企業や、AI インフラを自社化しようとするクラウド大手の戦略転換を象徴するものとなる。推論チップ市場での競争の本格化を告げるニュースだ。