OpenAI の株主たちが Sam Altman CEO の指導力に対する懸念を強めており、IPO(新規公開株式)を控える中で経営陣交代の可能性が議論されていることが、Wall Street Journal の報道で明らかになりました。

懸念点:利益相反と事業縮小

株主が指摘する主な懸念は以下の通りです。

1. 個人的投資との衝突 Altman 氏は、自身が出資する核融合企業 Helion Energy への OpenAI からの出資を要求したほか、自身のファミリーオフィス Hydrazine Capital を通じて宇宙企業 Stoke Space への投資を推し進めたと報道されています。企業の資金と個人的な投資利益の境界線が曖昧だとの批判です。

2. 主要事業の縮小・優先順位の変更 Altman 氏が推進していた動画生成ツール「Sora」や ChatGPT の「Adult Mode」といった事業が縮小される傾向が見られ、経営方針の転換に伴う戸惑いが生じています。

IPO 日程と評価額

  • 企業評価額: 約 8,500 億ドル
  • 公開予定時期: 2026 年後半
  • 現在の課題: プロダクト責任者 Fidji Simo(Altman が招聘)が休職中であり、経営トップが不在がちな状況

後任候補に Bret Taylor

報道では、Salesforce の元共同 CEO である Bret Taylor が後任候補として言及されています。ただし Taylor 自身は Altman を「この企業を率いるのに最も適任」と公式に支持しており、実現の可能性は不透明です。

業界への示唆

OpenAI は AI 業界のリーダーとして市場を牽引してきた企業。株主からの経営陣交代論の浮上は、AI 企業におけるガバナンスと透明性に対する機関投資家の厳しい目を象徴しています。特に 8,500 億ドル規模の IPO では、経営陣の信頼性が株価に直結します。