Huaweiが、次世代AIアクセラレータチップ「Ascend 960DT」の投入時期を当初予定の2027年第3四半期から第1四半期に前倒しすると発表した。Nvidiaへの対抗を強める動きで、性能は現行モデル比で2倍に達するという。

25万6000枚接続の新アーキテクチャ

Ascend 960DTは、複数のプロセッサを「UnifiedBus」で統合する新設計「Peerium Computing Architecture」を採用する。これを組み込んだシステム「Atlas 950 SuperCluster」は、最大25万6000枚の加速器カードを接続できる構成になるという。

一方でアナリストからは、当初計画されていた1万5488チップ規模のクラスタ構成が、実際には4096チップ規模に縮小されているとの指摘も出ている。前倒し発表の裏で、実装規模の見直しが進んでいる可能性がある。

米中の技術覇権競争が背景に

今回の発表は、トランプ大統領の中国訪問を9月24日に控えたタイミングで行われた。米国による対中半導体輸出規制が続くなか、Huaweiは自社製AIチップの性能向上と量産体制の強化を急いでおり、中国国内の半導体自給率向上にもつながる動きとされる。

Nvidiaが依然としてAIアクセラレータ市場で圧倒的なシェアを握るなか、Ascend 960DTの投入前倒しは、中国発のAIチップが市場の多極化を後押しする可能性を示す事例といえる。ただし、実際の性能や供給量が公表通りに実現するかは、今後の量産・出荷状況を見極める必要がある。